第31回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウム

ご挨拶

Mate2025 組織委員会
委員長 荘司 郁夫

 Mateシンポジウムは、1995年の開催以来毎年の開催を重ね、昨年度30回目の節目を迎えることができました。ワイヤボンディングやソルダリング関連の接合技術に関する研究発表54件から始まったシンポジウムも、今ではMate2025のプログラムでも確認できるように、その対象分野はマイクロ接合・実装技術に留まることなく、熱やシステム化などの設計技術、微細配線や印刷配線などの基板技術、ウエアラブルや医療センサー用MEMSなどへと拡大しています。接合・実装技術に関しても、次世代パワー半導体関連の研究開発の推進に伴い、焼結材料や樹脂材料に関する研究発表が増えています。

 さて、2024年のノーベル物理学賞、化学賞共にAI分野の研究が選ばれたように、我々を取り巻く社会は、生成AIの登場により大きな変革期を迎えています。生成AI技術は発展途上の技術で大きな可能性を秘めている一方で、社会に与える課題も議論されるようになっています。生成AIは大量のデータを活用して高度化が進むため、AI分野で使用される先端半導体には圧倒的な性能向上が求められています。同時に、世界規模で取り組みが進められているカーボンニュートラルの実現のために電力消費量の削減も求められています。

 先端半導体チップに要求される高性能化および低消費電力化の解決策として、チップレット技術などのパッケージング技術の高度化も求められています。パッケージング技術は、本シンポジウムが得意とするところであり、今まで以上の変革と総合力により世界の技術をリードしていきたいと思います。

 今回は、「エレクトロニクス生産科学の挑戦と創造 ~高機能化に向かう先端半導体技術~」をメインテーマとし、プレナリーセッションを含め105件のマイクロ接合・実装技術の最新技術や動向について発表が行われます。プレナリーセッションでは、大阪大学/日本工業大学の岡本和也氏、インターコネクション・テクノロジーズ株式会社の宇都宮久修氏をお招きして、生成AI時代の先端半導体の製造技術などに関するご講演をいただきます。生成AI時代のエレクトロニクス産業や社会を考える機会、研究開発の手がかりとしていただければ幸いです。

 最後になりましたが、本シンポジウムの開催にあたり、ご支援・ご協力をいただいた組織委員、実行委員、事務局の各位、ならびに共催団体各位に謝意を表するとともに、論文をご投稿いただいた皆様に御礼申し上げます。