第32回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウム

ご挨拶

Mate2026 組織委員会
委員長 荘司 郁夫

 本シンポジウムは、1995年に開催されたMate95から数えて、今回で32回目を迎えます。1990年代の日本は、エレクトロニクス産業を支えるマイクロ接合技術や高密度実装技術において、世界をリードしていました。これらの技術は、携帯電話や高性能コンピュータなどの高機能化・小型化を実現し、インターネットを介して情報が広く流通する社会の発展を支えてきました。

 マイクロ接合・実装技術に関する研究者間の情報交換の場として始まった本シンポジウムも、時代の変化とともに対象分野を拡大してきました。現在では、熱設計やシステム化などの設計技術、微細配線や印刷配線などの基板技術、各種センサーに用いられるMEMSに加え、パワー半導体や先端半導体の研究開発の推進に伴い、焼結接合、樹脂実装、高機能めっき技術などに関する研究発表も増えています。

 さて、ここ数年、生成AIの急速な普及により、社会は大きな変革期を迎えています。インターネットと情報端末を通じて情報を取得・発信する社会から、生成AIを活用して文章・画像・プログラムなどを生成し、新たな価値を生み出す社会へと移行しつつあります。一方で、AIを悪用したサイバー攻撃や、個人情報・機密情報の漏えいなど、解決すべき課題も顕在化しています。こうした生成AIの発展を支えるAI半導体や先端パッケージング技術において電子実装技術は重要な役割を担っています。また、生成AIが社会や産業のあり方を変えていくなかで、AIを活用した研究開発やものづくりも今後ますます重要になると考えられます。AIの可能性と課題の双方を見据えながら、電子実装技術の新たな展開を考えることが求められています。

 今回のシンポジウムでは、「AI時代を支える新たなものづくり」をメインテーマに掲げ、98件の講演を通じて、マイクロ接合・実装技術の最新の研究成果や技術動向を紹介します。プレナリーセッションでは、東京理科大学上席特任教授・東京大学名誉教授の藤本隆宏氏、3DICリサーチラボ合同会社の市川公也氏をお招きし、生成AI時代における日本の製造業の競争力強化と、データセンターを支える実装技術の将来展望についてご講演いただきます。本シンポジウムが、生成AI時代を支えるエレクトロニクス産業の新たなものづくりについて考え、今後の研究開発や技術革新につながる知見を得る機会となれば幸いです。

 最後になりましたが、本シンポジウムの開催にあたり、ご支援・ご協力をいただいた組織委員、実行委員、事務局の皆様、ならびに共催団体の皆様に深く感謝申し上げます。また、論文をご投稿いただいた皆様にも、厚く御礼申し上げます。