ごあいさつ
第55回日本慢性疼痛学会
会長 渡邉 恵介
(奈良県立医科大学附属病院ペインセンター)

このたび2026年2月27日(金)~28日(土)に、第55回日本慢性疼痛学会をホテル日航奈良にて開催することとなりました。
慢性疼痛は難治性のため,必ずしも「痛み=0」ではなく、QOLの改善が治療目標だと言われます。しかし、この治療目標は患者にとって、しばしば苦悩を伴います。それは、患者は痛みを取り去って元の健康な自分を取り戻し、今までの生活に帰りたいと願っているからです。実際は、痛みを持ったままの生活を強いられ、元の自分とは違う新しい生き方・価値を見出すよう、促されます。
これは個人的な多様性の尊重(ダイバーシティ)を意味します。新しい自分の特性(痛み)を受け入れ、尊重し、活用すること(インクルージョン)が、痛みそのものは変わらずとも「生きづらさ」を軽減させる方法となります。本学会のテーマの「慢性疼痛に寄り添う」とは、慢性疼痛を排除するのではなく、新しい自分を獲得するための苦悩に寄り添うことを皆様とともに考えたいとのメッセージです。
会場近くの東大寺二月堂では、学会開催の翌日から修二会がとり行われます。「お水取り」の通称で知られるこの法要のハイライトでは、寒い深夜に二月堂内の暗闇の中で松明を燃やす行(ぎょう)がおこなわれます。近畿地方では「お水取りが終わると春が来る」と言われます。長くつらい慢性疼痛の冬を超えて春をむかえられるよう、患者の苦悩に寄り添った学術集会を目指して、鋭意準備しております。
皆様のご指導・ご協力を賜り、実りのあるものにしたいと思いますので、多数のご参加をお待ちしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。